変態型エルフーン考察 SV編 その2 HBCイバンエルフーン
どうも、ひやしうめです。
今回も「変態型エルフーン考察」やっていきます。
今回紹介するのは、HBCイバンエルフーンです。
初見の方からすると、意味不明な振り方や持ち物かもしれませんが、見ていってくださると嬉しいです。
それでは紹介へどうぞ。
「アウラ、お前の前にいるのは....、'千年以上生きたエルフーンだ'」
「アウラ、エルフーンの考察をしろ」
(僕の心の中のフリーレンが《服従させる魔法(アゼリューゼ)》して来るので、とりあえずクソコラ作りました>< 偉いぞ♡)
エルフーン@イバンのみ
性格:図太い
特性:悪戯心
テラスタイプ:フェアリー
努力値:H236 B52 C188 D28 S4
実数値:165-*-123-121-99-137
技:ムンフォ 我武者羅 身代わり コットン
調整:
H:4n+1
B:特化ラオスの水テラス水流連打をほぼ2耐え
C:余り
D:ツツミのフリドラを93.7%耐え
S:端数
SV式のイバンエルフーンの1案です。
イバンエルフーンとは、文字通りイバンのみを持たせた型で、筆者が7世代の頃から研究し続けてる型でもあります。
その強みとは、エルフーンにあるまじき圧倒的な対面性能。
主に、以下の2通りの動き方で敵を突破 or 削ります。
①敵の攻撃を耐える→下から我武者羅
→イバンムンフォで対面撃破
②先制身代わり×4
→イバン我武者羅
特に注目したいのが②の動き。身代わり及び我武者羅が全て先制の行動となるため、あらゆるポケモンの素早さを無視して我武者羅を入れられます。砂下ドリュウズだとかSブーストツツミだろうが6加速バシャーモだろうが関係ありません。後ろに先制技持ちを入れておくことで、ストッパーとして機能します。
以上より、ゴーストタイプ・先制技・連続技・音技を除けば、何かしら仕事ができる型となっています。
これが、エルフーンの型の中で最も高い対面性能を持つイバン型の紹介となります。
研究の経緯などは↓から過去記事*1が読めますのでご参考に。
イバンエルフーン カテゴリーの記事一覧 - 冷やした梅はただの梅
説明がだいぶ長くなりましたね。
今回はそんなイバンエルフーンを"どうやってSV環境に適応させていくか"考察した結果を紹介できればと思います。
詳細は以下から
考察経緯
イバンエルフーンの概要は上述の通り。
さて、ここで環境トップの所謂big6(7匹)の皆さんへのイバン我武者羅の通りを考える。
- カイリュー
神速があるので× - ハバタクカミ
我武者羅無効なので× - 水ウーラオス
アクジェはあるが、素で殴り勝てるので○ - サーフゴー
我武者羅無効なので× - パオジアン
不意打ち or 礫があるので× - 炎オーガポン
石火持ちには× それ以外には○ - 暁ガチグマ
真空波、ハイボがあるので×
な ん だ こ れ は
環境トップに対してあまりにも通っていない。なんと勝てそうなのが素で有利なウーラオスくらいである。
だけどイバンエルフーンは使いたい......。でもHP1/4以下のイバン圏内に入るとどうしても先制技で縛られるし......。
そこで、私はあることを思いついた。
私「あれ?これコットンガード積んでおけば、HP1/4以下でも先制技耐えるんじゃない???」
ということでコットンガード採用。
さらに、フェアリーテラスも組み合わせれば対パオジアンはほぼ安定、カイリューや炎オーガポンとも殴り合えそう。
ということで、イバン型がなんかまだやれそうな気がしてきたので、実践してみることにしたのだった......。
特性
イバン型のコンセプト的に、身代わりを先制で打てる悪戯心。
今回はコットンガードもあるので、尚更悪戯で先制で打つことが重要になる。
調整/テラスタイプ
物理耐久は、対ラオスを安定させるために特化水テラス水流連打をほぼ2耐えできるラインを確保。ちなみに鉢巻パオの氷柱程度ならテラス+コットンで比較的容易に2耐えできる。
次に、特殊耐久についてはツツミのフリドラを最高乱数切って耐えるところまで確保することにした。これにより、ムンフォ+イバンムンフォでブーストツツミを対面突破できる。
以上のBDラインを確保、かつHPを身ががむと相性の良い4n+1にした結果、
H165(236振り)、B123(図太い52振り)、D99(28振り)となった。
Sはイバンの関係上振る意味が薄いので端数。
なお、ここは諸説。遅いオーガポンに下から我武者羅できない可能性があるので個体値を下げる or 下降補正も視野。
筆者は最速ガッサや遅いラオスを抜ける&サフゴのスカーフ判定をしやすい実数値137で採用した*2。
余りは殴り合いを制しやすくするために全部Cに振った(188振り)。単純に筆者が火力のあるエルフーンが好きなだけ説はある()
テラスタイプはフェアリー。聖剣半減かつ弱点をつかれにくい点が優秀。
また、我武者羅後の押し込みでムンフォ打つ展開があるので、火力を底上げできるのも偉い。
ちなみに、テラスムンフォは臆病カミのシャドボよりちょっと強いくらいの火力は出ます。
以上より、
性格:図太い
テラスタイプ:フェアリー
努力値:H236 B52 C188 D28 S4
実数値:165-*-123-121-99-137
となった。
持ち物
今回はイバンのみ。HPが1/4以下になった時に一回だけ先制で動ける。
悪戯身代わり×4+先制我武者羅のストッパーの動きをさせるためにイバンの実を採用している。
発動の直前まで木の実が発動しないため、相手に動きを悟られにくいのも地味なメリット*3。
技
対ラオス、我武者羅後の押し込み等で必須。
今回はCに振ってる&フェアリーテラスなので結構火力が出る。好き。
想定外の火力が出るエルフーン使ってる時が一番脳汁出るんだよなぁ...
- 我武者羅
HPを自分と同じところまで削る技。
悪戯身代わり×4+イバン我武者羅で、相手の素早さを無視して強引にHP1まで削ることができる。
なお、今作はカミサフゴと圧倒的スペックのゴーストが2体環境にいるので刺しにくさはある。
とはいえ、ミミガルドゲンガーいたUSM環境でも筆者はイバンエルフーン使ってたので、これくらいは許容。
本来なら先制技にも弱いが、今回の型ではコットン→下から我武者羅→先制技を耐えつつイバンムンフォの流れである程度克服している。
- 身代わり
ご存じエルフーンの身代わり。聖地池袋に像がある。
基本は我武者羅のために自分のHPを削ったり、イバン圏内に自分から入るために使う。
だが、他にもトリルなどのターン枯らしや珠ダメ稼ぎに使ったり、変化技をシャットアウトしたりと色々使い道がある。強い。
- コットンガード
Bが3段階上がるチート積み技。SVイバン型の革新的アイデアとも言える技。
Bの2.5倍とテラスの弱点消しを合わせると、実質いきなりB5倍とか頭のおかしいことをやっている。
これにより、対物理限定ではあるがコットンを絡めたストッパーとして機能させることもできる。
確定急所のラオスの連打や強打に対して、エルフーンが素で耐性を持っているところも噛み合ってて偉い要素。これでボディプレ貰ってたら最強だった。
ダメージ計算
ポケモンの横についている数字は実数値です。
与ダメ(H-D)
・パオジアン(155-86)
152~180(98.0~116.1%) 高乱数1(87.5%)
・水ウーラオス(175-81)
162~192(92.5~109.7%) 乱数1(50%)
・カイリュー(167-120)
マルスケ有:55~66(32.9~39.5%)
マルスケ無:110~132(65.8~79.0%)
→無振りカイリュー程度であれば、そこそこいい乱数で2発圏内
・テツノツツミ(131-81)
81~96(61.8~73.2%) 確定2
- 妖テラスムーンフォース
・水テラスウーラオス(175-81)
108~128(61.7~73.1%) 確定2
・炎オーガポン(187-117)
38~45(20.3~24.0%) 確定5(我武者羅後のトドメ用の参考ダメージ)
・暁ガチグマ(220-86)
102~120(46.3~54.5%) 乱数2(56.6%)
被ダメ(A or C)
・水ウーラオス(A200)の水テラス水流連打
23~28(13.9~16.9%)×3 高乱数2耐え(連続技の関係上計算が難しいので、確率は略)
・悪ウーラオス(A200)の暗黒強打
51~61(30.9~36.9%) 低乱数3耐え(22.7%)
・鉢巻パオ(A189)の氷柱(B3↑ 妖テラス)
58~70(35.1~42.4%) 確定2耐え
・炎オーガポン(A189)の蔦棍棒(B3↑ 妖テラス)
42~51(25.4~309%) 確定3耐え
・カイリュー(A204)の鋼テラスアイへ(B3↑)
62~74(37.5~44.8%) 確定2耐え
・ツツミ(C176)のフリドラ
140~168(84.8~101.8%) 高乱数耐え(93.7%)
・イーユイ(C205)のオバヒ(C↓2、妖テラス時)
102~120(61.8~72.7%) 身代わり後確定耐え
→スカーフイーユイに対して、身代わり→我武者羅→イバンムンフォで勝ち目があります
運用方法
基本は殴り合えるポケモンと対面させて、下から我武者羅→イバンムンフォの流れで落とす。
または、後続に置いて絶対先制身ががむのストッパーの役割を持たせる。
なお、対物理アタッカーについては、コットンを絡めた処理が有効な場合も多々ある。ここはダメ計を回して頑張りましょう()
以下、コットンを絡めた対面例を挙げる。
- パオジアン
妖テラス+コットンで鉢巻氷柱すら2耐えする。よって、以下の順序で処理可能。
妖テラスコットン 相手氷柱
→相手氷柱 ムンフォ(鉢巻の場合、ここで突破)
→相手氷柱 ムンフォ(襷の場合)
- 炎オーガポン
相手にテラス切られない&こちらが遅い場合でワンチャン(相手のアンコとか考えると安定するわけではないので注意)。
コットン 蔦棍棒(84~102ダメージ)
→(こちら妖テラス) 蔦棍棒(42~51ダメージ) 我武者羅(相手をHP39以下まで削れる)
→イバンムンフォ(38~45 ほぼ確定) ※HPが16以上残っていれば石火も確定耐えします(12~15ダメージ)
なお、サフゴには何もできないので、素直に引くか裏で起点にできるようにしておきましょう。
相性のいいポケモン
サフゴや特殊に弱めなので、それらを意識したポケモンと組ませるのがおすすめ。
- テツノドクガ
エルフーンの苦手なサフゴ、カミ、炎オガポなどに強い。高いDのおかげでサフゴに対して一旦繰り出すことができ、そこからメテビの起点にして裏を貫けるのが偉い。
見た目が毒菱エルフーンに見えるのも、相手の選出を崩しやすくてアド。
- パオジアン
サーフゴー絶対に起点にするマン。エルフーンがサーフゴーにカモられるので、"あえて倒させる"ことでこいつの起点を作る動きが非常に強力。
型は、ゴールドラッシュや電磁波に耐性をつけられる電気テラス剣舞がおすすめ。
使用感
かなり試行錯誤しながら使ってました。
当初は以下の構築で使用。
で身ががむ→のフェイントで倒す→で襷我武者羅→の先制技で締めた後、対面1:1制して勝ち!
という我武者羅ループか、
で身ががむ→のニトチャで倒す→Sの上がったで暴れて勝ち!
というムーブを目指していた。
使用感としては
- コットンの使用感はかなり良く、対パオジアンも問題なし
- 思ったよりちゃんと選出できる。対サフゴ入りも裏に炎タイプ添えておけば問題なさそう
- コットンで無理やり耐えて我武者羅する展開が多く、相手のHPを1に削る展開がほとんどない
→ニトチャで倒しつつSを上げるようなロマンムーブは決まらない。火力のある先制技持ちと組ませたい。 - 後手に回ると厳しいため、裏のポケモンは素早さが高い方が動かしやすそう
といった具合。選出自体はできるし活躍しないわけでもないが、想定した戦術は取れなさそうだなと感じた。
反省点のうち、火力のある先制技持ち・裏にSの高いポケモンを置く、というのは重要そうだと思ったので、次はその反省点を活かして組んだ。
コンセプトとしては、で対面を制覇する→で荒らす→ or で詰めて勝ち!といったところ。
火力のある先制技持ちとしてを採用し、構築全体のSをで補った。
ここで、をサフゴに倒させ、そのままサフゴを電気テラスの or で起点にして打ち抜く動きが非常に強力だということに気がついた。また、といようと平気で水ラオスが初手から出てくることがわかった。
そのため、よほど腐っていることがない限りはサフゴがいようとを選出することに決めた*4。多分7~8割くらいの試合で選出してる。ここまでエルフーンの選出率の高いエルフニスト*5は私くらいでしょ...()
と言うことで実際に回してみた感想が以下。
- こいつでサフゴを誘ってパオカミの起点にする動きは、再現性も高くて非常に強い。囮としてだいぶいい仕事してる(エルフーンは囮にて最強!w)
- 物理に投げてコットンで嵌めること多いから、もう少しB方面厚くしたい
- 選出はできるし勝ててはいるけど、思ったより型がしっくりきてない。我武者羅をしたい場面があんまりなくない...?
- 我武者羅より、宿木・アンコ・光の壁とかの方が強いのでは...
と言うことで、選出して勝ってはいるものの何かしっくりこない。イバンもそんなに必要としてないし、身ががむ展開もほとんどない。何なら、一番打たない技が「我武者羅」である。これマジ?コンセプトの崩壊じゃん...。
我武者羅を打たない理由を自分なりに考察してみたところ、原因はやはり通りの悪さ。
カミやサフゴには入らないし、先制技環境のせいでHPミリの状態ではむしろ打てない。かといって、イバン非発動状態でも上から我武者羅を入れられない。
という感じで、身代わりとコットンでお茶を濁しつつムンフォを打って退場する謎のポケモンになっていた()
そこで、構築のコンセプトを思いっきり変えてみた。その結果がこれ。
え?さっきとほとんど変わってない?→になっただけ?
それは大違い、戦術がまるっきり変わってます。
それもそのはず、トリルエース型エルフーンなのだから。
HCDLでトリルして荒らす
→相手がより早い場合:トリルを使ってのムンフォで荒らす
相手がより遅い場合:の身代わりで自分のトリルを枯らして我武者羅
→他ポケモンで詰める
といったふうに、が残したトリルをが利用したり、身代わりでターン管理して詰める謎の構築となっています。
Cに厚いエルフーンなのでそこそこ火力があり、イバンもあるのでトリルの有無に関わらず行動回数を稼ぎやすい、と謎にトリルとのシナジーがあります。たまにはこういう頭のバグった構築使いたかった。
実際に使った感想は以下の通り。
- トリル下エルフーンは思ったより悪くない。思ったより舐められてムンフォが通るので、Cに厚いエルフーンが普通に強いと思った。
- 身代わりを駆使する関係で体力管理が難しいので、エルフーン入りなのに水ラオスが重くなる。構築段階で意識した方がいい(今回は水ポンで牽制しているつもりではある)
- C振りムンフォは強いけど、やっぱり我武者羅打たなくない???
イバン我武者羅は今の先制技環境だとキツイのでは...。
結論として、エルフーン自体は選出できるがイバン型はまだまだ課題があるなと痛感した。
本来ならもっと考察を重ねていくところだが、今回かなり使用したことでむしろ新しいアイデアが降りてきたので、イバン型の現在の研究結果と言うことで公開することにした。
イバン型考察のまとめ
- 我武者羅型は先制技に縛られるのがキツイ → コットンガードで解決!!
- C振りムンフォ強い。でもB方面ももう少し欲しいかも...?
- 選出はできるけど、我武者羅打ってなくない???
- イバンもあんまり発動してなくない??
・・・改善アイデア募集してます()
あとがき
ここまでお読みいただきありがとうございました。
HBCイバンエルフーン考察、いかがだったでしょうか?
あまり胸を張って強いと言える結論ではなかったのが歯痒いですが、当シリーズではうまくいかなかった考察でも載せることにしているので執筆しました。
興味のある方がいらっしゃいましたら、使っていただけると嬉しいです。
そして、ぜひ自分なりに考察をして改良していってください。
どんな些細なことでも、そのアイデアが新たな型の開拓のきっかけとなります。
私の考察が、誰かの新しいアイデアのタネになってくれれば幸いです。
質問や相談など何かありましたらコメントやX(旧twitter)(@elfugenger_poke)までお願いします。
ハッシュタグ「#変態型エルフーン考察」も用意してみたので、使ってみたらそちらに感想を入れてくれると筆者が大喜びします。
それでは今回はこの辺で失礼します。
イバン、一番思い入れがあるんだけど微妙やなぁ...() ちょっと悲しい
*1:数えてみたら、イバンエルフーンだけで17件も記事書いていた。ヤバすぎ...
*2:嘘、本当は育成してからオガポの下取れないことに気がついただけ
*3:だが、対戦相手の考え方によって動きが変わってくるので、毎回読み合いが発生して安定しない説もある。結構難しい。
*4:動画とかでエルフーン上げてる人がこぞって「サーフゴーがいたら選出できない」と言っていた。サフゴがいたら選出できないのは甘えなんだよなぁ...。(あんまり言うと多方面から怒られそう)
*5:TLでエルフニストの皆さんが苦労されていることは存じています。まあ、無理もないですね。四凶に悪戯は無効だし、オガポには宿木効かないし、暁ガチグマには殺されるし、サフゴには文字通り何もできないし...。"ただの宿身が"なら歴代最悪の通りの悪さだと思います。しかし、変態エルフニストは逆境環境の方がむしろ輝くのだ...。ぶっちゃけ今剣盾より全然使いやすいと思ってますからね()