変態型エルフーン考察 SV編 その7 SV式ハイブリッドゴツメエルフーン
どうも、ひやしうめです。
今回紹介するのは、SV式ハイブリッドゴツメエルフーンです。
普通のゴツメエルフーンと違い、ちょっと一捻り加えた型となっています。
それでは紹介へどうぞ。
サムネcotton
そういえば最近なんかエルフーン人気ですね。流石に前期2桁順位にエルフーン入りが2つもあったのがかなり影響してるっぽい。*1
性格:臆病
特性:悪戯心
テラスタイプ:水
努力値:H252 B92 C4 D148 S12
実数値:167-*-117-98-114-151
技:ムンフォ コットンガード 宿木の種 光の壁
調整:
H:ぶっぱ
B:余り
C:端数
D:控えめ眼鏡カミのムンフォを壁込み96.1%で2耐え
S:最速ブリジュラス抜き
物理にはコットンガード、特殊には光の壁で対応するエルフーン。
壁を仕込んで特殊にも対応できるようにしたからハイブリッドゴツメエルフーン。
とはいえ、基本的な役割は以下の2点。
- 先発の蜻蛉返りしてくるスカーフラオスやチョッキランドにゴツメで負荷をかける
- 光の壁+宿木で後続の積みのサポートをする。
だが、相手が物理のみと分かればそのまま従来のゴツメエルフーンのようにコットンガード/ゴツメ/宿木を駆使して詰めていく。
要は、サポート役と詰ませ役をスイッチできるのがこの型のポイント。
※「ゴツメエルフーン」については以下を参照(ちょっと崩した型だけど)
詳細な説明は以下から。
考察経緯
※この型の考察は、レギュレーションF S14終盤〜S15初期(2024年1月〜2024年2月)に行われたものです。考察の主軸が環境メタ寄りですが、現環境と若干ズレている所があるのをご了承ください*2。
さて、SV環境におけるエルフーンの最強技はなんだろうか?
その問いに対して、S14(2024年1月)頃の筆者の回答は以下の二つだった*3。
- コットンガード
- 光の壁
これら二つに共通するのは、耐久力を底上げできる点。
テラスの耐性変化と合わせることで、実質的な耐久力を4倍〜10倍などまで伸ばすことができる*4、この点がエルフーンの行動回数を増やすと言う意味で非常に強力だと感じていた。
→じゃあ両方とも持たせたエルフーンなら最強なんじゃない???
ということで考察してみることに。
当初は、残飯持ちのムンフォ/宿木/コットン/壁というシンプルなものだった。
しかし、環境に宿木の刺さりが悪く、あまりにも使い道が思いつかないという理由で使うまでもなくボツにしていた。
それから、HBカムラエルフーンやら妖精の羽エルフーン やらで遊んでいたのだが、あることに気がついた。
それが以下の2点
①エルフーンが舐められすぎて、初手にラオスやランドを投げて蜻蛉してくる
②本来エルフーンの苦手な暁ガチグマやハバタクカミに対して光の壁が刺さる
そこで①の対策を考えた結果、初手のゴツメエルフーンが思考停止蜻蛉にリスクをつけられることに気がついた*5。
また②の経験から、裏から出される特殊アタッカーに対して光の壁→交代の動きが強いのでは?と思った。
以上の考察より、光の壁を持たせたゴツメエルフーンが刺さるのでは?と思った。
すると、先ほどの残飯をもったムンフォ/宿木/コットン/壁の型と目があった。
私「......あれ、こいつの持ち物をゴツメに変えればいけるのでは???」
ということで、光の壁/宿木によるサポートとコットンガード/ゴツメ/宿木による詰ませの両方を併せ持つハイブリッドゴツメエルフーンが生まれたのだった。
※ちなみに、なぜ"SV式"かというと、ハイブリッドゴツメエルフーンは剣盾時代に一度考察しているからです。こちらは壁ではなく我武者羅を合わせたハイブリッドとなっています。興味あればどうぞ。
特性
コットンガード/光の壁を先制で打てる悪戯心。
今回は先制で打ちたい補助技が多すぎるので確定
調整/テラスタイプ
まず素早さラインの設定から。最低限準速ラオスは抜きたい+なんか増えてた最速ブリジュラスも抜きたいということから、実数値151(臆病S12振り)。
HPは、物理特殊両方の耐久が欲しかったのでH252振り。
D方面は、眼鏡カミに対して壁込みで体力を半分残したかったのでD実数値114(D148振り)。
Cは端数。
残りはBに割いた(B92振り)。
テラスタイプは、エルフーンの弱点である炎/鋼/氷を半減にできてラオスの連打耐性を維持できる水テラス。
以上より、
性格:臆病
テラスタイプ:水
努力値:H252 B92 C4 D148 S12
実数値:167-*-117-98-114-151
となった。
持ち物
ラオスやランドの蜻蛉にリスクをつけるためのゴツゴツメット。
ラオスを削って後続の圏内に入れる動きが優秀。
また、接触物理相手であればコットンガードと宿木を絡めてハメ殺すことも可能。
技
メインウェポン。対ラオスに削りたいので必須。
- コットンガード
防御を3段階上げるチート積み技。いきなり耐久を2.5倍、テラスの耐性変化も合わせれば5倍や10倍にも跳ね上げる変態。
エルフーンに詰め筋としての勝ちルートを残すために採用。
ゴツメと相性がいい。
- 宿木の種
エルフーンといえばな技。
コットンガードと合わせて物理ポケモンをハメ殺すために採用。貴重な回復ソースでもある。
ちなみに、変態型エルフニストはこの技を使うのが苦手() チマチマ削るのが性に合わないんじゃぁ...
- 光の壁
特殊耐久を2倍にする技。
コットンガードと違い、味方にも効果があるのがキモ。
受け出ししづらい眼鏡ハバタクカミや暁ガチグマと対面した際の中間択として役に立つ。
一方で、コットンガードと違い2倍までしか耐久を上げられないので、宿木で嵌める動きには向かない。あくまで後続のダメージカット用。
ダメージ計算
ポケモンの横についている数字は実数値です。
与ダメ(H-D)
・水ウーラオス(175-81)
132~156(75.4~89.1%) 確定2(ゴツメ2回から確定)
・ブリジュラス(165-86)
61~73(36.9~44.2%) 確定3
被ダメ(A or C)
・水ウーラオス(A200)のテラス水流連打
25~30(14.9~17.9%)×3 乱数2耐え
・悪ウーラオス(A200)の暗黒強打
54~65(32.3~38.9%) 乱数2耐え(1.1%)
・ハバタクカミ(C205)の眼鏡ムンフォ(壁込み)
72~85(43.1~50.8%) 乱数2耐え(96.1%)
・暁ガチグマ(C205)のブラッドムーン(壁込み)
71~84(42.5~50.2%) 乱数2耐え(99.7%)
・ブリジュラス(C177)のラスカ(壁込み)
70~84(41.9~50.2%) 乱数2耐え(99.7%)
運用方法
基本は初手出しで、初手に来るスカーフラオスやチョッキランドに合わせる。
蜻蛉に対してゴツメで削りを入れつつ、壁や宿木で後続のサポートをしていく。
この時、相手が物理ポケモンを繰り出してくるようであれば、テラスを切ってコットン宿木で嵌めていく。
なお、先発読みが外れてカミやブリジュラス、暁ガチグマなどが来てもケアが効くのが偉いところ。
いずれも光の壁から入り、交代なり宿木で削りを入れるなりしていきたい。
相性のいいポケモン
壁+宿木で後続に託すことができるので、積みポケモンと相性が良さげ。
試したのはHB鉄壁ドラン。壁と宿木で耐久面をサポートしつつ鉄壁を積んで要塞化する動きが強力。
また、古来より伝わるエルフドランのタイプ相性の良さがかなり偉い。エルフーンの苦手な炎や鋼にドランが強く、ドランの苦手な水ラオスにエルフーンが強い。
- トドロクツキ
エルフドランで一貫する霊に強い。炎ポンにも強い。
エルフーンのサポートから竜舞を積んで無双ができる。
試運転で霊対策に試したのはパオジアンだったが、正直こちらの方が良かったのでは?と今更ながらに思う。テラス切らなくても強いし。
使用感
以下のパーティで使用。
のサポートからで詰ませ、剣舞電気でスイープといった感じ。
全員がそれなりにテラス権を欲しがるので、今となっては正直構築ミスった感ある()
使用感は以下の通り(この型は結構回したので、使用感のメモ多めです)。
- ゴツメによる削りと壁宿木のサポートを両方こなせるのが強く、初手にラオスやランドが出てきた時はかなり荒らせる
- ブリジュラスやカミと対面してしまった場合でも、壁があるので不利展開になりにくい
- コットンガードのおかげで単体性能もそこそこある
- D方面はかなりいいが、B方面がかなり薄く物理でゴリ押される
- 対暁ガチグマや対ブリジュラスで宿木は欲しくなるが、それ以外の場面だと結局1/8削っただけになったりしてあまり強みを感じない
- アンコの枠がないので積み技に弱い
- テラスを切って詰ませにいくタイミングを図るのが死ぬほど難しい
- 壁のサポートとゴツメコットンの詰ませを同時にやらせようとするせいで、ゴツメで詰めようとする頃には体力が足りてないことが多い
といった感じ。
要は、「各要素(ゴツメによる初手蜻蛉へのリスク付与、壁のサポート、ゴツメコットン宿木の詰め)は強いが、それらを全てこなすにはスペックが不足している」というのが正直な感想。
壁貼りのサポート役にするにはアンコールがないので補助が薄くて起点になりやすく、コットンガードの詰ませ役にするには体力の消耗の激しさやB方面の耐久の低さが気になる。
結果としてどっちつかずな印象が否めない。
また、環境が変わって刺さりが悪くなったのも微妙に感じた一つの要因である。
というのも、レギュF初期は初手スカーフラオスの蜻蛉展開が非常に多かった。そのため、そこをカモった動きが刺さると信じてゴツメ型を投入した。
しかし、S14でタケルライコが流行った結果、S15ではスカーフラオスがかなり数を減らしてしまった。そのせいで、初手ラオスを誘えずこちらのやりたいゲームメイクが行えなかった。
もう一つの誤算が、環境の鋼枠がサフゴからブリジュラスになったこと。
元々、私はエルフーンでサフゴを誘い、それを起点に後続で積んで勝つ動きを軸にしていた。しかし、サフゴが起点になりやすいことが周知されたのかサフゴが減って、代わりにブリジュラスが台頭してきた。
これで困ったことは2点。
1つ目は勝ち筋としていた起点先がいなくなったことである。
2つ目はブリジュラスは初手に来やすいポケモンという事。つまり、初手に出すエルフーンとかち合う確率が激増したのである。ブリジュラスというポケモンは型が非常に多く受けづらい。そのためエルフーン側は一度光の壁から入らざるを得ないのだが、ここでラスカ等で体力を半分削られてしまう。このせいで、コットンガードで詰ませられそうな展開になっても、その頃には体力が足りてない...みたいなことになってしまった。
以上より、机上論では強そうだったが実際にはスペック不足&環境に置いて行かれた型、というのが現状の評価である。
しかし、ゴツゴツメットによる対ラオスの削りや、壁による初手出しの安定化など評価できる点も多い。
解決策としては、もっとBに厚くして耐物理性能を高める、技を変えて削りorサポートにより特化させる、といったところか。
型としてはイマイチな感じになってしまったが、アイデアとしてはかなり良かったと感じる。
というか、ここから改善案出して実際に新たな型の開拓もできた*6。なので、考察の方向性としては悪くなかったのかなと思った。
ということで、この記事を叩き台に皆さんも新しい型を考えてみてください。
あとがき
ここまでお読みいただきありがとうございました。
SV式ハイブリッドゴツメエルフーン、いかがだったでしょうか?
今回は不幸にも活躍時期に恵まれませんでしたが、考察のタネとしてはかなり面白いものになったんじゃないかと思っています。
興味あれば、ここからさらに発展させていただけると幸いです。
質問や相談など何かありましたらコメントやX(@elfugenger_poke)までお願いします。
感想は、Xのハッシュタグ「#変態型エルフーン考察」に入れてくれると嬉しいです。
それでは今回はこの辺で失礼します。
今年入ってから暫く毎週のように記事上げてたけど、今月は仕事を鬼のように振られていたのでペース落としてました。
でも、環境の変化と自分の考察速度に対して執筆速度が追いついていないので、できる限り頑張りたいです。
*1:個人的には舐められてる環境の方がエルフーン動かしやすいので困ってはいるけど、単体スペック低いポケモンだからそのうち流行落ち着きそう()
正直、youtuberに散々サフゴに何もできないとか言って貶されていたのに、ここにきて急に手のひら返しされるのはあまり気分は良くない。貶したままにしておけ(逆張り)
*2:実は本考察がその9か10くらいになる予定だったが、環境とのズレが大きくなったせいで執筆時期を前倒しにした経緯がある。つまるところ、実際に使ってみたら想定した環境と変わっていてあまり刺さらなかったというお話ですね()
*3:過去形からわかるとおり、今の回答は変わってます。まあ、アンコールがぶっちぎりで強いわな()
*4:テラスによる耐性変化で、弱点→等倍なら実質耐久値2倍、弱点→半減なら実質耐久値4倍となる。それにコットンの2.5倍や壁の2倍を合わせることで、実質耐久値を1ターンで4~10倍まで跳ね上げることができる。
*5:ちなみに、S15初期はこの初手の思考停止蜻蛉対策にかなり思考を費やしてました。例えば、脱出ボタンを持たせることで、相手のスカーフラオスを蜻蛉で拘らせたまま眼鏡カミを展開するなど。この思考停止蜻蛉対策シリーズは後々の考察でちょいちょい出てくると思います。
*6:これについては、そのうちまた記事に出します